国指定天然記念物「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」について

公開日 2016年12月27日

更新日 2017年01月17日

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国指定天然記念物「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」

 

所在地  

 埼玉県羽生市大字三田ヶ谷1302外

 

指定日  

 昭和41年(1966)5月4日

 

面 積  

 30,148㎡

 

沿 革 

 大正10年(1921)9月      速水義憲氏により平島耕地で発見

 昭和24年(1949)2月      三田ヶ谷のムジナモ県の天然記念物指定

 昭和36年(1961)4月      羽生市むじなも保存会発足

 昭和39年(1964)8月30日   文部省(現文部科学省)文化財保護 委員会(現文化庁)天然記念物部会委員、自生

                 地を視察

 昭和41年(1966)5月4日   国指定天然記念物として告示

 昭和41年(1966)8月     台風14号によりほとんど流出

 昭和43年(1968)       自生地保護区域買収完了

 昭和44年(1969)4月     ムジナモ変換キャンペーン開始

 昭和49年(1974)       埼玉県、「野田のサギおよびその繁殖地」とともに緊急調査実施

 昭和51年(1976)       羽生市、6年にわたる総合調査開始

 昭和58年(1983)       環境調査及び放流実験開始

 昭和58年(1983)10月12日   羽生市ムジナモ保存会として再発足

 昭和62年(1987)       具体的事業開始

 平成8年(1996)        国指定30周年記念誌『ムジナモ保護の歩み』刊行、特別展「食虫植物ムジナモ」開

                                            催

 平成11年(1999)       自生地内のムジナモ大量盗難

 平成14年(2002)       自生地環境整備事業実施

 平成18年(2006)       国指定40周年記念特別展「ムジナモ保護の歩み」開催

 平成21年(2009)       5年にわたる緊急調査開始

 平成27年(2015)       緊急調査報告書刊行、保存管理計画策定

 平成28年(2016)       国指定50周年記念特別展開催

 

概 要

 宝蔵寺沼には、“沼”という文字が使われていますが、開水面があるわけではありません。もともとは湿原で、大雨の時などに水が一面を覆うため、“沼”という表現を使ったものと考えられます。なお、宝蔵寺沼は、環境省の「日本の重要湿地500」に、埼玉県内でわずか4か所しか選定されていないもののうちのひとつに選ばれています。
 自生地の直下は、ボーリング調査により地下谷があると考えられて おり、そこが埋設する過程で泥炭が生産されていきました。泥炭の堆積速度は年間約1ミリメートルであるという見解をもとにすると、深いところでは7.2メートルもの泥炭が堆積している宝蔵寺沼は、約7,200年もの年月をかけて形成されたともいえます。
 近世になると、新田開発が盛んになりますが、その一環で作られたのが、現在我々が目にしている宝蔵寺沼の形状です。湿地を農地に変えるため、水路を掘り、積土した部分で耕作をするという方式を用いています。これは、「掘上げ田」と呼ばれているものです。かつては市内のいたるところでなされており、地域色豊かな農法といえますが、現在市内では、その形状だけでも残されているのはここ宝蔵寺沼のみであり、文化的景観としても非常に貴重です。

 

地下谷図    自生地内水路 

地下谷図                         自生地内水路

 

希少種の宝庫

 ムジナモ自生地及びその周辺は、関東平野の都市近郊で、多様な生物が生息する貴重な自然の残る場所としての価値も有しています。
 植物では、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されているムジナモをはじめ、埼玉県レッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されているエキサイゼリなど、絶滅あるいはほとんど見られなくなっている種が多数確認されています。
 その反面、オオフサモやアレチウリなどの特定外来生物や要注意外来生物の侵入という問題もあります。
 昆虫類では、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されているオオモノサシトンボや、埼玉県内ではじめて発見された希少種もいくつか確認されています。
                  

ムジナモ      アレチウリ      オオモノサシトンボ  

 ムジナモ                  アレチウリ            オオモノサシトンボ

 

保 全 

 自生地の維持管理は、保存管理計画に則って行っていますが、生物の多様性の保全がカギとなっています。
 ムジナモのように、もともと数が少なく、珍しかった生物ならいざ知らず、身近なものであったゲンゴロウもほとんど姿を見かけなくなった昨今、それらが生育できる豊かな環境は維持して行きたいと思っています。また、ハルジオンやセイヨウタンポポなどの外来生物が繁茂していることは問題であり、適切な生物多様性を保持しつつ、ムジナモが生育できる条件の整備に努めていきます。
 今後とも、ムジナモ自生地の種々の保護活動について、ご理解、ご協力をたまわれば幸いです。

 

ハルジオン         セイヨウタンポポ        

ハルジオン                   セイヨウタンポポ

 

羽生市ムジナモ保存会について

 自生地を保全活動しているのは、行政だけではありません。昭和58年に市民のボランティア団体として発足した羽生市ムジナモ保存会も重要な役割を担っております。近年の気象変化で自生地はたびたび冠水し、ムジナモの救出に尽力いただいています。
 また遺伝的多様性が極度に小さいムジナモは、環境によっては一気に消滅してまう恐れが常に高いため、各家庭で飼育することにより、その危険性を回避することにつながっています。
 近年では市民目線での広報に取り組んでいます。

 

羽生市ムジナモ保存会ホームページ  http://mujinamo.jimdo.com/

 

保存会会議     放流    

会議                    放流会

 

ムジナモ自生地の状況

 

自生地の状況

冬(平成28年12月20日現在)

 

お問い合わせ

生涯学習部 生涯学習課
住所:埼玉県羽生市東6丁目15番地
TEL:048-561-1121
FAX:048-561-6562